先送りする管理職
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今回のテーマは「先送りする管理職」。最近感じることは、昔に比べて物事を判断するスピードや、新しい企画をまとめるスピードに「速さ」が要求されているということだ。
情報は簡単にインターネットのさまざまなツールを使って調べることができることになったし、情報整理術や仕事術の本は世の中にたくさん出回っている。
仕事はどんどん効率的にできるような環境が整ってきているとおもうのだけれど、そうすると人が減らされちゃったりして、世の中は結構うまくいかない。
そんな中にこういう人がいると困るもので…
筆者の以前の上司のKさんは「先送りする管理職」だった。
彼の口癖は「それは今やらなきゃいけないの?」である。
彼の元にいると、残業はすごく少なくて済むのだけれど、新しい提案などが通らない、ということで有名だった。
彼のペースでやっていると、新しいことを考え、調査→実行まで、小さなことでも何ヶ月もかかってしまうのである。
だが、世の中の情勢や、処理しなければいけないことの内容によっては、それが許されないこともある。
たとえば…
ある日、その部署で作成して、定期的にお客様に配布している文書について、ある指摘があった。
ある部分の説明が、間違えて受け取られると大変なことになる、ということで、問い合わせを受けてすぐに、上司に報告した。
「それでは次の文書から表記を変えますか?」
「それってすぐにやらないとダメ?もっと考えて、いろいろな人の意見を聞いてからのほうがいいんじゃない?」
「でも、指摘は正しいですし、間違えた解釈をされたら大変ですし、部署の判断ですぐに直せることですから…」
「まあ、クレームにはなっていないんだろう?もう少しまとうよ」
「でも…」
一ヶ月後、それが原因で、大クレームが発生した。すぐに文書は差し替え、お客様にはお詫びにお伺いする事態になったのだが、報告をする際に「過去に同じような問い合わせはなかったのかね?」という話になった。
「問い合わせはあったのですが、すぐに対処できなくて…」
「いつあったの?」
「一ヶ月前です」
「そんな件数だって多くないんだから、すぐに対処できただろう!」
叱責されたKさん。それでも後になってからぼやいていた。
「そんなすぐに対処しなくてもいいと思ったんだよ・・・」
そんなある日、また事件が起こった。
ある日筆者が雑誌を見ているときに、ふと思いついた企画があった。
それほど規模も大きくないし、ニーズはありそう。方法についても、この雑誌で紹介されたのがはじめてのようだから、まだ誰も気づいていないはず、ということで、会社に言って周囲に尋ねると「絶対今すぐにやったほうがいい!」ということで、上司に相談すると「それって、今すぐ考えなきゃダメ?」と、やはり乗り気でない返事。
「今だったらテスト的な意味合いも含めて先鞭をつけたほうがいいと思います。大手が乗り出してきたらとられちゃいますよ」
「でもなあ、そういう新しいことって、よく考えてからの方が・・・」
「とりあえず資料をそろえるので見ていただけますか?」
ということで筆者、若干強引だが資料を揃えて、再度見せに行った。
「ほら、これを使えばこのサービスができます。金額もこれだけです。お客様からのニーズはありそうじゃないですか?なんだったら今度の会議までにまとめてほかの方にも相談するとか」(うちの会社は意思決定は上司同士ですることになっている)
「じゃあ書類頂戴」
ということで書類を渡したのだが、なしのつぶて。会議は毎週開かれているのに、何回聞いても
「ああ、だっていろいろほかの議題もあって忙しそうだし、話すきっかけがつかめなくてね」
「別に調整役の人に時間をとってもらえばいいだけでしょう」
「いや、あまり普段の報告以外は今までやったことがなくて・・・」(つまり全部握りつぶしていた)
「・・・・・」
となって、2ヶ月が過ぎた。思い余った筆者(今ならもっと早く行くが、まだ若かった)、課長に相談に行くことにした。すると「それはすぐに手をつけないとまずいんじゃないか?」という話になり、改めてKさんに「すぐに進めるようにしなさい」という指示が出たのだが、そのサービスを提供している会社にたずねると、すでに大手の会社から問い合わせがあった、とのことで、企画はお流れになってしまった。
課長に報告すると「何でもっと早く言わなかったの?」と聞かれたので、「Kさんのところで止まっちゃってました」と答えたのだが、それから課長が調べたところ、Kさんのところで止まっている案件が大量にあったのが発覚。
「アイツにはもう任せられない」
ということで、彼は別のルーティンワークをまわす部署に、異動をすることになってしまった。
「慎重居士」という言葉があるが、慎重であることと、とにかく責任がつきまとってくるような判断を先送りしようとすることは、まったく意味が違うと思う。
筆者の以前の上司が言っていた。
・すぐに判断できることは先送りせず、すぐに判断する。
・調査が必要なことだったら「いついつまでに調べて報告してほしい」と伝える
・少し考えたほうがいい案件でも、ただ押し返すわけではなく「いついつまでに考えてくれるか」といって、締め切りを伝えて、自分の手帳に書く。
「単純なことなんだけど、難しいんだよね。でも、判断するのが上の仕事だから、逃げちゃいけないんだよ」。
あなたの上司は判断から逃げてしまっていませんか?
あまりに逃げてしまうようだったら、さらに上の上司に相談したほうがいいのかもしれません。
あなた自身「先送りする」くせがついていませんか?
世の中の流れがどんどん早くなっている今、ちょっとした判断が思わぬトラブルになることもあります。ご注意を。
- [2006/11/04 18:12]
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